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11月15日水曜日

ドイツにきてからというもの、お日様が恋しい。

日の出が遅いから、朝なんて起きられない。
一歳になりたての娘だけが、
世界基準の体内時計を搭載しているので、
やたら正確に目覚めてくれるものの、
こちらは眠いので、あまりありがたくはない。

それでも、今日は久々の晴天。
張り切ってお買物へ出かける。
お買物…といっても、ネギとかダイコンの類。

スーパーへ入ると、息子が無闇に商品に手を
触れないようにするため、早々にキュウリを一本持たせる
(こちらのキュウリは、幼児が両手を使わないと持てないくらい大きい)。
「絶対に落とさないでね!」
彼は、自分に与えられたお仕事がまんざらでもないようで、
一生懸命、キュウリを持つ。
私の背後でウッカリ落としていたが、
それに気付かないふりをしてみるのも、親の務め。

お買物やお散歩といった日常茶飯事も、
乳幼児を連れると、唐突に行脚になるのだ。

今日は娘がベビーカーの中で眠ってしまったので、
気を遣うのは息子のほうだけですんだのが幸いだった。
いつもより、ほんの少しだけ余裕があったので、
ちょっと変なモノを買ってみた。
写真ではヤキソバのようだけど
(具が木耳、人参、グリンピース、葱、キャベツ)、
パッケージの裏の写真はベトナムっぽい。
そして、よく見ると、大きく日本語で
「切り口」と矢印まである(笑)



面白いものも見つけたし、珍しく、息子が
「あれ買って、これ買って」をやらないまま、平穏にレジへ向かう。
ベルトコンベアへ商品を載せて、ザザザっと精算。
このとき、お客に求められることは、
お金を払うという行為と、商品を袋に詰めるという行為を、
背部のプレッシャーに押しつぶされることなく、
いかにソツなく同時にこなすかという神業的なものだ。
これまた修行のよう。

まあ、それでも、ワタ〜シ、ガイジ〜ン、ダ〜シ。
と心で呟きながら、小銭をちんたらと財布から
出していると、なんと、息子が一心不乱に
商品を袋へ詰めだした。

一生懸命、自分と同じ程の高さのあるレジ台の上に
並んだ商品を背伸びして袋へ詰めいている姿は、
レジ打ちのおばちゃんを喜ばすに充分だった。
やるなあ、息子。
本格的に助手に採用。

手伝ってくれたことを抱っこして褒めちぎり、
スーパーを後にした。



11月16日木曜日

息子は赤ちゃんの頃から我が強かった。
何につけ、ヒトからとやかくされることを嫌がった。
そんな性格だから、固形物を食べる時期になると、
やっぱり自分でやりたがった。
私がスプーンで口に運んでも、断固として拒否。
のけぞって大泣きして嫌がる。
カモフラージュでスプーンを持たせておいても、
茹で野菜を握らせておいても、
格闘の末、全てを奪われ、辺り一面、
私も息子も、ゴハンだらけになっている。

こんなんだから、息子に関しては、
仕方なく、一人でやらせることにしていた。
ご機嫌にグチャグチャとやっている隙に、
ほいほいと口へ入れてやると、これは結構食べる。

一歳過ぎても、終始お母さんに食べさせて
もらっている子がいるという事実を知ったときは衝撃だった。
( う ら や ま し い ! ! )
真剣に心で叫んだものだった。

そんな息子も、随分、上手に食べられるようになり、
床に味噌汁の池ができることもなくなった。
安堵した矢先、キラ星のごとく娘が登場。

しかし。
娘は、息子より大人しい。
そう、息子より は 大人しい。

私は期待していた。
世間からどう言われようと、今度こそ
美しく過保護に食事させてみせる!
「グチャグチャ食べが脳に良い影響を与えるのよ〜」
ぷ。そんなの知るか。

しかし。
今日気付いた。
全てを奪われている自分に。

食事の後の娘はいつも、
"妖怪ゴハンツブ"になっている。


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